不動産を贈与したい

贈与契約は、単純に「不動産をタダであげる」だけでは、民法上成立しません。贈与を受ける人の承諾があってはじめて成立します。また、「必ず贈与する」のような口約束があった場合、契約は有効ですがそれが「履行」されていなければ当事者はいつでも撤回できます。

このような、不完全な贈与は後々トラブルの原因となりかねませんので、しっかりと法律上の要件を満たした贈与契約書に基づいて贈与する、または、贈与を受けることが重要です。

  

不動産の贈与と登記

 

では、しっかりとした贈与契約書は作ったけど所有権移転登記(名義変更)をしていない場合はどうなるのか?

贈与した人がその意思を翻して、無関係の第三者に不動産を売り(二重譲渡)、その第三者が先に登記をした場合、贈与を受けた人は保護されません。贈与した人の契約違反の問題は残りますが、所有権についてはその第三者が優先します。「登記をしなかった者が悪い」というのが民法の基本的な考え方です。つまり、しっかりと贈与の登記をしておかないと「完全な」所有権が移転したとは言えません。

  

不動産の贈与と税金

 

贈与をしたいけど税金が気になる。税金のために(税務対策として)贈与する。事情はまちまちと思います。税については専門ではありませので、一般的な事項についてのみ記述します。

 

①暦年課税制度(暦年贈与)

暦年にわたって贈与税のかからない枠内(年110万円)で贈与する、または、枠をうまく使って贈与するという方法です。お金であれば、贈与したい額を贈与すればいいですが、不動産の場合は「持分何十分の1」などのように贈与できます。不動産の評価については固定資産税の評価方法とは別の方法となりますので、持分の決定には注意が必要です。また、暦年贈与のつもりが全体として一つの贈与とみなされないように注意を払う必要があると言われています。

 

②相続時精算課税制度

一定の要件を満たす65歳以上の親から20歳以上の子への贈与について、「贈与時に贈与財産に対する贈与税を納め、その贈与者が亡くなった時にその贈与財産の贈与時の価額と相続財産の価額とを合計した金額を基に計算した相続税額から、既に納めたその贈与税相当額を控除することにより贈与税・相続税を通じた納税を行うもの」(国税庁より引用)という制度です。つまり、相続まで待たずに財産の承継を行いやすくする制度と言えそうです。複数年にわたり利用できる特別控除の限度額が2,500万円と大きいですが、一旦この制度を選択するとその当事者の贈与について暦年課税制度の控除が使えなくなるとされています。

 

③夫婦の間で居住用の不動産を贈与したときの配偶者控除

「婚姻期間が20年以上の夫婦の間で、居住用不動産又は居住用不動産を取得するための金銭の贈与が行われた場合、基礎控除110万円のほかに最高2,000万円まで控除(配偶者控除)できるという特例」(国税庁より引用)です。一生に一度しか使えない点や「居住用」の要件などがポイントになりそうです。

 

④その他

登記をするための登録免許税、、不動産取得税がかかります。また、所有権移転登記をすれば、翌年から固定資産税の納付書は贈与を受けた人に送られますが、登記をしないと贈与した人宛に送り続けられるというのが自治体の基本的な運用のようです。

 

◇不動産の権利関係や法律的なことは当事務所にお尋ねください。

(税に関して心配ごとがある場合は税理士さんをご案内させていただきます。もしくは、事前に税務署に確認をとっておくのも良いでしょう。)

  

司法書士 郷田事務所

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